なつのこと
江國香織さんの「すいかの匂い」を読んだら、今まで過ごしてきた夏のことをいろいろと思い出した。
夏、小さい頃はよく実家の庭でまあるいビニールプールに水を張って、姉と水遊びをした。水浴びができるのは母さんの仕事が休みの日だけだったけど、娘二人に水浴びをさせてくれる母さんはやさしかった。
照りつける太陽がすぐにプールの中の水を温めてしまったし、私たち姉妹はビニールプールの縁にもたれかかっては、庭に大量の水をこぼしていた。
たまに姉がいないときがあったけど、ひとりで庭のプールに入っても何も楽しくないと思ったのをなんとなく覚えてる。
小学生のころは、夏休みになると学校のプールが自由解放される日があった。大きい四角いプール、全然好きじゃなかったけど、小学生の夏休みなんてこれと言ってすることもなくて、友達とよくそこに遊びに行った。
私の小学校は田舎だったから、プールで狸が死んでたらしいとかいう噂がよく学校に流れた。見てないから本当かどうか知らないけど。
夏は暑くて好きにはなれないけど、夏の果物スイカが大好きだ。「まだ私が母さんのおなかの中にいたとき、母さんはスイカばかり食べてた」っていう話を聞いたのは、私が高校生の頃「スイカうめぇ〜」って食べてたときのこと。
スイカ、みずみずしくてあまくて、冷たくて、なんといってもあのシャリシャリとした食感がたまらない。
大学2年のとき夏フェスに行った。夏フェス自体はよかったんだけど、帰ってきて、だいぶ日に焼けてしまったことに気がついて、もうしばらく夏フェスはいいかな…なんて思った。パッシブだ…。
去年の夏は、一人暮らしのうちのベランダでセミが一匹死んだ。
あんなにうるさく鳴くのに、死んだらピクリともしないのねと思った。
夏は好きじゃないけど、今年はどんなおもしろいことがあるのか少しだけたのしみ。