2022年、春の日記
春になると日記を書きたくなるのは、なぜだろう。
この冬はすごく寒くて、京都でも雪がたくさん降った。あまりにもたくさん降るので、この前までは珍しいと思っていた雪も、次第に「またか…」と新鮮さを失っていったけれど、それでもやっぱり雪が降ると、うれしいという気持ちは変わらなかった。
わたしが生まれた街は雪が降らない。
だから、新鮮さを失ったとしても、雪が降るとやっぱりうれしい。
寒波が何度も到来して、冬はとても寒かったけれど、やっと春がきた。もうすぐ、春が来るかしらと思ってから、春が来るまではあっという間だった。散歩に出かけたくなるような穏やかな日差しと、小さな部屋の窓辺に吹く風が愛おしい季節。
冒頭の問いかけの答えは、「この季節の愛おしさを、誰かと共有したいから」なのかもしれない。
さて、私はこの夏に現職を退職して、実家に帰り、しばらく仕事をせず、勉強に勤しむつもり。だから、この街で過ごす冬は、最後だったし、この街で過ごす春もこれが最後になる。
次は首都圏で就職することになるので、関西とさらに西にいる友達には気軽には会えなくなる。すごく寂しいけど。
この街のことは好きだ。
観光都市として栄えるこの街は、コロナ禍で変わっていったことがたくさんあったけど、変わらなかったことや、新しく生み出された価値もある。
ここで、いい職場に恵まれて、安心を得て、たのしい思い出もできた。歴史と文化が息づくこの街で、興味深い経験もたくさんできた。いつかまた、この街に住む形で、帰ってきたいなと思う。
静岡→広島→京都と、いろんなところに住んできたけれど、私は住めば都タイプの人間で、わりとどこにでも住めるタイプだと思う。住んでいる街のことを嫌いだなと思ったことはない。それぞれの地域にその歴史と、魅力がある。街の中に好きな場所が一つでも見つかれば、それで十分である。
静岡で好きな場所は、家の近くの大きな池のある公園。広島で好きな場所は、京橋川から宇品港にかけての川沿いの道。京都で好きな場所は、鴨川沿い。
首都圏で過ごすことになったら、好きな場所を見つけられるかな。新しい街で過ごすことは不安もあるけれど、きっとどこかに、いいなと思える場所があるだろう。
早く桜を見たいな。
この街で過ごす最後の春の桜だ。
お花見をしよう。
春と言ったらやっぱりこの曲
https://music.apple.com/jp/album/%E6%98%A5%E3%81%AE%E6%97%A5/1099672403?i=1099672408