花と窓辺とカレー
おじさんの整髪剤の匂いが微かに香る喫茶店で、うまいコーヒーを飲みたいなんて思う一日だ。
今日はお休みだったのだけど、9時頃には起きて洗濯をして、少しだけ仕事のことをして、そのあと買い物に行った。
帰り道、学帽をかぶりランドセルを背負った男の子二人の走る足並みがきれいに揃っているのを見て、なんだか嬉しくなった。
2日ぶりの晴天の下、ゆっくりと自転車を漕いで、お気に入りの商店街であるみなみ中通りを通り抜けた。
途中、商店街にある花屋でピンクのスターチスを100円で買った。
花はいつだってかわいい。
卒業式にたくさんもらった花は、しばらくかわいいままでいたけれど、ひとつずつダメになっていって、次々に花瓶が空になった。
空になったたくさんの花瓶は1ヶ月近くわたしのキッチンの床で暇を持て余していた。
まだまだ空っぽの花瓶はたくさん並んでいるけれど、久しぶりに我が家に花が咲いて、うれしい。
帰宅して花を花瓶にさしてから、カレーを作った。トマト缶の酸味が強くて、なんだかいつもより酸っぱかったような気がする。
休みの日の夕方の窓辺が好きだ。
もうとっくに乾いてる洗濯物を西日が照らしていて、心地よい5月の風がカーテンを膨らましている。
去年も一昨年もきっと同じように、空はまだ青いままで、橙色の光だけが注ぐ5月の夕方があったはずなのに、それがこんなにもおだやかで、心地よいなんてことは、今になってようやく気がついたことだ。
ずっと日が落ちなければいいのになんて思ってしまうくらいだけど、そんな夢みたいなことは起きないから、すぐに日が落ちて、明日も少し憎い朝が来る。
休みの日って本当にすぐ終わるよね。